家の中が、やけに静かだなと思った。
オスカーの姿が見えない。
いつもなら、
ちょこちょこ歩く音がしたり、
ルークのまわりをうろうろしていたり、
何かしら小さな気配がある。
でも、この日は静か。
あまりにも静か。
「どこ行った?」

と思って探してみたら、いた。
クッションのすき間に。
しかも、かなり深めに。
最初は顔だけ見えていた。
白い毛布のような場所に、
白い小さな顔。
正直、一瞬わからない。
床なのか、毛布なのか、オスカーなのか。
でもよく見ると、
黒い鼻と、眠そうな目がある。
これはオスカーだ。
そして、もう完全に眠い顔をしている。
少し引いて見ると、さらにすごかった。

体ごと、クッションの間に入り込んでいる。
まるで、
「ここが今日の寝床です」
と自分で決めたみたいに、ぴったり収まっている。
しかも仰向け気味。
足も投げ出している。
警戒心は、どこへ行ったのか。
2㎏の体で、家の中を自由に走り回っていたはずなのに、
気づけばこの姿。
完全に電池切れである。
それにしても、オスカーは寝る場所の選び方が独特だ。
広い場所もある。
ふかふかの場所もある。
ちゃんと寝やすそうな場所もある。
でも選んだのは、クッションのすき間。
なぜそこなのか。
狭いところが安心するのか。
クッションに包まれている感じがいいのか。
それとも、ただ動いているうちに挟まったのか。
本人に聞いても、たぶん答えは返ってこない。

返ってくるのは、寝息だけ。
ルークは48㎏。
寝るときも、存在感がすごい。
一方オスカーは2㎏。
寝ると、どこにいるのかわからなくなる。
でも、この小さな体から出ている安心しきった空気は、
なかなか大きい。
家の中が静かな理由。
それは、オスカーがクッションのすき間で、
全力で充電していたからでした。
起きたらまた、2㎏のエンジンが再始動します。

